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子ども木工教室
入会歴8年 Mさん(80代)
千代田区シルバー人材センター
地域の子どもたちに向けた木工教室。対象は小学生とその保護者。
令和6年12月の初開催では賽銭箱をモチーフとした貯金箱を制作。親子や祖父母との参加など、多世代交流の場にもなっている。
千代田区シルバー人材センターで木工教室の自主事業に携わるMさんに、事業に参加したきっかけや、センターで働くメリットなどについて伺いました。
シルバー人材センターの職員さんにお声がけいただいて、やってみることにしました。現役時代は青果店と蕎麦屋を営んでいましたので、木工仕事には携わっていません。
センターで障子・ふすまの張替の研修を受けて、その後粗大ごみの家具再生の仕事を行っていたので、今回の事業にお声がけいただいたのだと思います。
木工教室で制作するものを自分たちで事前に作ってみて、どこが難しいか、どういった道具が必要か話し合いました。
寸法を事前にマークしておく方がいいのでは?という意見もありましたが、参加するお子さんの年齢を考慮し、あえて何も準備しないことにしたのです。図面を見ながら自分たちで考えて作ることも、工作の楽しみですから。参加したお子さんは、悩みながらも上手に作っていて、とても楽しそうでした。
変化というのはないですね。むしろ、変化しないためにシルバー人材センターに入会しました。
というのも、現役時代は昼も夜もなく働いていたので、それがなくなった途端、身体が弱ってしまうのではないかと思ったのです。
センターの仕事があれば、身体を動かすきっかけになります。家具の修理の仕事場までは自宅から片道45分歩くので、それだけでもいい運動です。また、仕事場でみなさんと話すのもいい刺激になっています。
お子さんが工作に触れる機会になることと、ご両親や祖父母とのコミュニケーションの場になればいいですね。
いまは何でも簡単に手に入る時代ですが、子どもさんには自分で工作する楽しさもたくさん経験してほしいと思います。また、木工教室にお子さんやお孫さんと参加してもらえれば、家族の仲が深まるきっかけにもなるでしょう。そうした機会をこの事業を通じて提供できれば嬉しく思います。
私たちの年代になると、誰でもいろいろな経験をしています。
反省することも多いですが、人の役に立つことも何かしらあるはずです。また、いくつになってもチャレンジはできるので、センターの仕事をきっかけに、初めてのことに挑戦するのも楽しいと思います。私のように、シルバー人材センターを健康維持と地域とのつながりづくりに活用するのもおすすめです。
当センターでは、以前から家具修理のお仕事を千代田区からいただいていまして、木工や工作の技術を有している会員が複数在籍しています。その技術を他にも活かせないかということで考えたのが、通販などで購入した家具を組み立てる事業と、この木工教室事業です。特に木工教室事業は、仕事の創出というだけでなく、多世代交流の場となることも目的としています。教え方や必要な道具の準備などに会員の経験が活かされており、私も勉強になりました。
当センターでは、千代田区からの仕事を多くいただいています。区立施設の管理や、公園の清掃など、地域とつながりをもって働ける環境がそろっていることが特徴です。今後はそうした就業の機会に加えて、会員の技術や資格を活かした就業も増やしていきたいと思っています。