
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編み物教室
入会歴1年 Oさん(60代)
立川市シルバー人材センター
全く棒針編みをしたことのない人を対象とした教室。令和6年10月事業を開始。
月2回、全12回のコース。作り目から学んで基礎編みの習得をめざす。
一人ひとりの習熟度に配慮し、「誰も置いていかない講習」を実施する。
立川市シルバー人材センターで編み物教室の自主事業に携わるOさん。どのようにして自主事業を始めたのか。そのきっかけや、事業を始めて変わったことなどについて伺いました。
中学校の家庭科教員です。
思い返せば教員時代、生徒に対して「受講料をいただいて教室ができるような内容を教えているのだから、真剣に取り組んで」と冗談で言っていました。まさか本当に自分が講師となって教室をもつことになるとは…… 今は、描いていた自分が実現できて嬉しい気持ちです。
そうなんです。たまたま別の用事で会場を探していて、この場所を見に来たときに講師を募集していることを知り、それがきっかけとなって入会しました。元教師といえども、10年近くブランクがあったので、講師を務めることに不安がなかったわけではありません。
しかし、事務局長さんが「みなさんと一緒に楽しめればいいんですよ」とおっしゃってくださり、心が軽くなりました。その一言に背中を押していただいたように思います。
それはもう、教室が始まってから私の生活は一変しました。
みなさんに何をどうお伝えしようか、あれこれ考えることが楽しくて仕方がありません。自分の脳が別のところで回り始めたような、そんな感覚です。長年介護をしてきた両親を見送り、意欲をなくしていた少し前の自分が嘘のようです。
「教える」ということですね。
特に編み物については、同じ教材で一度に40人の生徒に教えてきましたので、ここでも問題なくできる自信はありました。教師時代と異なるのは、受講生の意欲です。中学生は教育の一環として授業を受けていますが、ここに来る方は学びたい意欲をもって来てくださっています。みなさん積極的に取り組まれるので、私もその気持ちに応えたいとやる気がわいてくるのです。
そうですね、和気あいあいと楽しめる場づくりを続けていきたいと思います。受講者は趣味で編み物を楽しみたいという方ばかりなので、教室に来てお友達を作るのもいいですよね。
それも集団で習う教室だからこそできることです。おかげさまで、続編を希望する声もいただくようになりました。みなさんの意欲が私の意欲につながっているので、段階を踏んで自然に上達できるカリキュラムも考えてみたいです。
今回、棒針編み教室のほかにも、陶芸・木版画・体操・写経といった事業が同時に立ち上がりました。全て会員が主導となって運営しています。当センターで就業する方の中には、これまでに培った知識や経験を活かしたいという方が少なくありません。そうした方々に「生きがい就業」を提供するのが、このカルチャー教室事業です。受講者も多く集まり、順調な滑り出しとなりました。今後は、この事業が根付いて「カルチャー教室」希望の会員さん・受講者の方での盛況となるのが目標です。
入会をご検討中の方で「こんなことやりたい」「これはできるかな?」とお考えのことがあれば、ぜひ当センターにご相談ください。みなさんの「生きがい就業」のサポートをさせていただきます。