

和小物販売
入会歴7年 Kさん(70代)
世田谷区シルバー人材センター
和小物の製作から販売までを行う事業。主に布草履を取り扱う。令和7年1月31日から販売を開始。
駅前というセンターの立地を活かし、屋外にて月1回程度、日中に販売。近くの名所を訪れる外国人観光客向けに、英語のスキルを持つ会員も接客にあたる。
世田谷区シルバー人材センターにて、和小物販売事業に携わるKさん。なぜシルバー人材センターに入会したのか、自主事業にどう関わっているのかについて伺いました。
商社に勤めていました。人事から管理畑に移り、その後は農林水産本部で主にバナナの仕事に携わりました。フィリピンのミンダナオ島ダバオというところに、通算7年間赴任していたこともあります。
3人の子どものうち、2人はフィリピンで生まれているんです。会社員人生のほとんどはバナナの仕事をしましたね。退職までの7年間は、商社が主体となって運営している財団法人に事務局長として出向し、65歳で定年退職となりました。
せっかく仕事をするなら、地域に貢献できることがいいと思ったからです。私は生まれも育ちも世田谷区で60年以上生活しています。
しかしながら、会社員時代は会社と家の往復だけで、地域とのつながりが全くもてませんでした。シルバー人材センターについてもあまり知らなかったのですが、パンフレットか何かを見て「これだ!」とピンときたのです。仕事を通じて地域に貢献できるということで、入会を決めました。
所属する総務部会(※注)の活動の一つに、自主事業の計画や実施というものがあり、そこで決定したのが和小物販売事業です。通常自主事業は、会員の技術や知識を活かして計画されます。
しかし、今回の事業は作り手も販売者もみんな初心者です。初回は布草履の製作と販売からスタートしていますが、布草履の作り方を講習で習うところから行います。販売は、近くの豪徳寺を訪れる観光客の目に留まるよう、センターの屋外で実施することにしました。何もかも手探りですが、みんなで意見を出し合いながら進めています。
(※注)事業運営を円滑かつ効果的に推進するために会員構成により専門部会を設置しています。
センターの魅力は、様々な就業を通じて、好奇心や探求心が刺激されることです。私には特別な技能も資格もありませんが、やってみたいという好奇心があれば何でもできると実感しています。入会して最初の就業は税務署の駐輪場の整備でした。
その後は施設の管理や、臨時的に小学生の登下校の見守りなども行っています。そして、今回の自主事業の立ち上げにも携わりました。自分の技能や資格を活かせるのはすばらしいことですが、そうしたものがなくても新しい事に取り組めるのが、センターで就業するメリットだと思います。
就業して驚いたことは、会員のみなさんが活き活きとされていることです。入会前は、しかたなく働いている人が多いのかなと思っていました。しかし、センターの会員さんは、就業を通じて人から感謝されたり、人と交流できたりすることを楽しんでいらっしゃる方ばかりです。生活を変えてみたいとか、生きがいをもちたいという気持ちがあれば、センターに入会することできっと変われると思います。
そうした気持ちがある方、ぜひ一緒に活動しましょう。
和小物販売事業では、主に布草履の製作と販売を行っています。和小物の製作と、販売の2つに分かれて運営され、月の前半~中盤で製作をし、後半に販売するという流れです。
近隣には、招き猫で有名な豪徳寺があり、外国人観光客も多く訪れます。そうした方々にもご案内しようと、販売には英語を得意とする会員も入ってくれました。製作は講習から行うので、手先に自信がない方、未経験の方でも就業可能です。一部分でも小物づくりや販売に関わり、やりがいや喜びを感じていただける事業にしたいと思っています。
世田谷区シルバー人材センターでは、新たに派遣事業も計画しています。今後は、女性でも就業しやすい、軽作業のお仕事も増やしていく予定です。会員同士の交流もありますので、地域での就業にご興味がある方は男性・女性ともに是非いらしていください。