平成30年11月2日(金)、東京しごとセンター地下講堂にて平成30年度シルバー人材センターフォーラム(以下、フォーラムという。)を開催しました。
このフォーラムは、学識経験者による基調講演と、シルバー人材センターでの先進的な取組みや創意工夫をこらした事業展開などの事例発表により、シルバー人材センターの研鑽・交流を図るものです。
都内55のシルバー人材センターから役職員、関係者、合せて133名が参加し、「80代シルバー会員の就業」をキーワードに、シルバー人材センターでの就業について考えました。
【基調講演】
「80代のシルバー人材センター就業」
講師: 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 研究部長 主席研究員 博士(医学) 石橋 智昭 氏
講演前半のテーマは、「80代のシルバー人材センター会員の実態を知る」。
公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 (以下、ダイヤ財団という。)において、2006年からスタートし、全国9ブロック、64ヶ所のセンターが参加した 「健康生活アンケート」の調査研究から、80代会員の就業実態と現状の課題について、仕事内容や収入等の5年後・10年後を追跡した変化の結果等を元に、ご説明いただきました。さらに、会員が80歳以降も、働き手やボランティアの担い手などとして引き続き活躍できるために、社会参加を望む高齢者の受け皿としての限界点を高めてゆくことの必要性と考え方について、お話しいただきました。
講演の後半では、ダイヤ財団で今後展開される、80代の会員が「無理なく働ける」仕組みの実現を目的とした新しいシルバー人材センター研究について、ご紹介いただきました。新事業は、集計したWEBアンケートの結果から「健康寿命」と「資産寿命」を判定し、回答した会員が健康・経済・いきがいという点から結果を確認できる調査になるとのことでした。
【事例発表】
「生涯現役を目指して」
公益社団法人町田市シルバー人材センター 常務理事 西原 教子 氏
「心いきいき生涯現役」をキャッチフレーズに、会員がいつまでも就業できるようにと、活動されている様子について、ご紹介いただきました。
80歳以上の就業率が5割を超えているのは、シルバー人材センターの事業理念である「自主・自立」「共働・共助」に基づき、グループ就業やローテーション就業によって、少ない仕事を分かち合い助け合って就業してきたからだったが、現状は会員数の減少と高齢化に伴って次第に難しくなってきている、とのご説明がありました。
そのような実状の中で、タスクフォースの編成による仕事の開拓や高齢会員の集いの場の開設など、様々な具体的な取組みのご紹介がありました。また、80代会員の活躍のきっかけを見つけ出すことは、会員との向き合い方など、職員の力量が試されるとの考え方も示されました。